JaSST '11 Hokkaido/「病気にならない為の知恵」
「JaSST '11 Hokkaido」というシンポジウムに参加してきた。
内容は、ソフトウェアテストに関するもの。
前職の職務内容がまさしくテストだったので、
もう一度勉強しようかと思って参加してみた次第。
あともう一つは、プログラムの中の「招待講演」を
聞いてみたかった、というのもある。
「病気にならない為の知恵」
村上 智彦(夕張希望の杜)
村上さんは、財政再建団体に指定された直後に夕張に赴任した医師。
いまは、お金のない市の医療機関で理事長をやっている。
僕は数年前に放映された「情熱大陸」で初めて知ったのだが、
非常に限られた医療行為しか出来ない厳しい状況下の中、
そう大変そうには見えない、親しみやすい人柄と、
ブレずにものをスパスパ言う話し方に、
勝手に(俄か)ファンになってしまった。
で、講演の内容をさくっとメモったので以下に箇条書き。
聞きながら、メモりながら、だったので、
間違いや漏れがあるかもだけど(あったら指摘ください)
まあ大筋は間違ってないはず。
《》でくくってるところは、僕があとから補足した箇所。
- 今の日本の65歳以上の割合は、23%
- しかし、2050年には、40%になる見込み
- そうなると、今までの医療では将来対応できなくなる
- 夕張市は既に65歳以上の割合は、44%
- それでも夕張市は対応できているので、この取組は参考になる
- ではここで問題です。(実際に問いかけた)
- 日本の平均寿命は何歳?
- 女性:86歳
- 男性:79歳
- では、都道府県の中で一番長寿命なのは?
- 日本での死因、4位は何?
- 上位3位は生活習慣病
- 交通事故ですか?
- いいえ、違います。交通事故は5位
- ちなみに、自殺が6位
- 4位は肺炎です
- 《年別の死亡者数のグラフを見せてもらったが、肺炎はここ20年くらいで、再び増えてきている》
- 一人あたりの医療費が一番安い都道府県と、一番高い都道府県は、どこ?
- そもそも「健康」とは?
- 病気を減らすこと
- 元気を増やすこと
- WHO(世界保健機関)でも定義されている
- 《調べてみたら、以下のような記載があった》
- 《健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない:出典元》
- リスクマネージメント
- 「先生、何かあったらどうするんですか!」と聞いてくる患者がいる
- するとこう返す「必ず何かあります!」
- 絶対に何もないということは不可避
- 例えば、車の運転もそう(以下例
- セイコーマート行きたいなー
- でも、遠いため車を運転しなくてはいけない
- 車を運転するということは、少なくとも事故に遭遇するリスクが発生する
- 《どんなに自分が注意しても、他の車の不注意等で巻き込まれたりする可能性もあるわけで…》
- みなさんは、それを認識した上で車を運転しているはずですよね?
- 検診
- 検診は、もともと健康意識が高い人が受ける→寿命が高い
- 裏を返すと、健康意識の低い人は、検診には行かない
- 住民の健康意識が高ければ、そもそも総合病院なんて必要ない
- 検診は、もともと健康意識が高い人が受ける→寿命が高い
- 日野原重明先生(今年で御年100歳の現役医師)に聞いてみた
- 「長寿の秘訣ってなんですか?」
- カロリー制限
- 運動
- 生きがいを持つ
- くよくよしない
- 「長寿の秘訣ってなんですか?」
- PPK運動(ピンピンコロリ運動)
- 《時間の都合上、このへんはさらっと》
- 《病気に苦しむことなく、元気に長生きし、病まずにコロリと死のうという意味の標語:Wikipediaより》
- 生活習慣の改善で、癌は半分くらい減る(ハーバード大の論文より)
- 風邪
- 人は一生のうちに、平均120回風邪を引く
- 風邪薬は、3日で治る風邪を4日に伸ばしてしまう
- 咳止めは、肺炎にかかりやすくなる
- 風邪のお風呂は、実は良い
- 昔は良くないと言われていたが、その原因は湯冷めするためだったと言われている
- 実際、スウェーデンでは風邪を引いたらサウナに入ると良いと言われている
- 日本人は遺伝的にカロリーを摂取しすぎるとダメ
- 例えば、ファストフード店が1店出店すると、その周辺の死亡率が1%上昇するとか
- ジャパニーズパラドックス(日本の矛盾)
- ヒートショック《急激な寒暖差で身体がついていけなくなる》
- 認知症予防
- ワクチン
- WHOいわく、日本の医療は世界最高水準
- しかし、国民の医療に対する満足度は、世界最低
- ただの贅沢じゃん!
- 「CTスキャン」は、世界の半分を日本の病院が持っている
- 「頭痛い」といってスキャンするなんて日本くらい
- 盲腸の手術費も、世界の中で日本はかなり低い
- 救急車が無料なのは、日本くらい
- アメリカは、1回呼ぶのに、5万円〜14万円かかる
- イギリスは最近まで無料だったが、最近有料化された
- しかし、国民の健康意識は高いらしく、医療に対する満足度は、世界最高
- 日本も救急車は有料にするべき
- 日本は「素材は一流、サービスは三流」と言われている
- 夕張での取り組み
- わたしたちは、高齢者が生きやすい環境を作っているだけ
- 医療は、それをサポートしているにすぎない
- 例えば、80歳を超えたある女性は、若い頃はパチンコによく行っていたが、年と共に行けなくなった
- しかし、センターの方がサポートすることにより、若いころと同じように再びパチンコ屋に行くことが出来る
- パチンコ屋も儲かる
- お年寄りも、どんどん外に出ようよ
- 村上さんは若い職員に「自分が年をとった時に、こういうことをやろうというのを考えよう」と言っているとのこと
- 病院や施設に頼らない
- 「施設に入れる」ということをすると、全く知らない場所にきたお年寄りが、逆にボケ進行してしまうことがある
- 在宅を重視するべき
- 自分の家は住み慣れているから
- 医療は目的ではない、手段である
- 医療を目的にすると、みんな病気になってしまう
ほかにも、医療崩壊なども喋っていたんだけど、
自分がメモった内容がよく分からないので省略。
講演聞いていて、言われてみれば納得というような内容が多くて、非常に良かった。
こういう講演の場に慣れているのか、途中途中に笑いなどを交えながら、
堅苦しい感じの医療や健康についてわかりやすく話されていた。
今回は1時間ちょっとの時間だったが、もっと聞いていたかったし
別の機会があればまた講演を聞きたい。
どんなに高水準の医療機器を持っていても、
自分の健康を維持するのは自分自身。